家事分担

同棲の家事分担表テンプレート
「名もなき家事」まで入れた作り方

そのまま使える家事分担表のテンプレートと、見えにくい家事まで含めた作り方の手順。調査データで見る「認識のズレ」の埋め方も。

同棲の家事分担でうまくいかない一番の理由は、やる気の問題ではありません。「何が家事なのか」の認識がふたりでずれていることです。

この記事では、見えにくい家事まで含めた家事の一覧と、そのまま使える分担表のテンプレートを載せます。作り方の手順と、決めた後の運用ルールもあわせて書いています。

分担表を作る前に知っておきたい数字

大和ハウス工業が既婚者9,700人に行った調査では、家事負担の実態は夫2.0割・妻8.0割で、理想(夫3.2割・妻6.8割)とも開きがありました。妻が7割以上を負担する家庭は80%を超えています。

さらに深刻なのが認識のズレです。リンナイが既婚男女1,000人に聞いた調査では、家事分担の割合について「妻が6割以上」と答えた人は男性で65%、女性で80%。同じ家の話をしているのに、数字が一致していません。

つまり何が起きているか

やっていない側は「自分は3割くらいやっている」と思い、やっている側は「相手は2割もやっていない」と感じています。この差を埋めるのが分担表の役割です。誰が悪いかを決めるためのものではありません。

そして、AlbaLinkが同棲経験者500人に聞いた調査では、揉め事の1位が「家事分担がうまくいかない」33.2%、3位が「家事のやり方が違う」14.8%でした。分担そのものと、やり方の違いは別の問題として扱う必要があります。

手順1:家事を全部書き出す

いきなり「どう分ける?」と話し始めると失敗します。まず、家にどれだけの家事があるかを2人で見るところから始めてください。

目に見える家事

領域家事頻度の目安
料理献立を考える/買い出し/調理/配膳毎日
片付け食器を洗う/食器をしまう/シンクを流す毎日
洗濯洗濯機を回す/干す/取り込む/たたむ/しまう週2〜4
掃除床/風呂/トイレ/洗面台/キッチン週1〜毎日
ゴミ分別/まとめる/出す週2〜3
買い物食材/日用品/ネット注文の受け取り週1〜2

見えにくい家事(名もなき家事)

大和ハウス工業が公開している「名もなき家事ランキング」(ベネッセの口コミサイト「サンキュ!」に寄せられた1,200件超の投稿をもとに作成)では、1位が「裏返しの衣類・靴下を戻す」、2位「玄関の靴の片付け」、3位「トイレットペーパーの補充」、5位「献立を考える」でした。

ここを表に入れるかどうかで、分担表の精度がまったく変わります。

見えにくい家事なぜ揉めるか
献立を考える作業時間に含まれないが、毎日の判断コストが高い
裏返しの服を戻すやっている側しか存在に気づかない
消耗品の補充切らして初めて「やっていた人」が可視化される
ゴミ袋の交換「出す」担当と「袋をセットする」担当がずれる
排水口の掃除気づく閾値が人によって大きく違う
タオルの交換頻度の感覚がずれやすい
郵便物の仕分け放置すると片方が全部処理することになる
予定・支払いの管理家事と認識されないまま片方に集中する
書き出しは別々にやる

ふたり一緒に書き出すと、片方の記憶に引っ張られます。それぞれが5分だけ、思いつく家事を別々に書いてから見せ合うと、認識のズレがそのまま見えます。ここが一番の気づきになります。

手順2:分け方の方式を決める

方式は大きく4つです。どれが正解ということはなく、生活リズムによって向き不向きがあります。

方式内容向いているケース弱点
担当制家事ごとに担当を固定する勤務時間が安定している担当が忙しい週に破綻する
交代制週や日で入れ替えるふたりの生活リズムが近い「今週どっち」が分からなくなる
得意分担得意な方が中心にやる得意分野が分かれている総量が偏りやすい
その日方式早く帰った方・気づいた方がやる勤務時間が不規則気づきやすい方に全部寄る
おすすめは「担当制+その日方式」の併用

毎日発生する家事(料理・洗い物)は担当制、不定期な家事(掃除・買い物)はその日方式にすると、破綻しにくくなります。「その日方式」だけにすると、汚れに気づきやすい方の負担が一方的に増えます。

手順3:分担表に落とす

以下をそのままコピーして使えます。頻度と期限の列を必ず埋めてください。ここが空欄だと、あとで必ず解釈がずれます。

家事担当頻度期限・基準
献立を考える週の前半:A/後半:B毎日前日の夜までに決める
買い出しその日方式週2回共同財布のカードで払う
調理交代制毎日作れない日は前日までに伝える
食器洗い調理しなかった方毎日その日のうちにシンクを空にする
洗濯機を回す気づいた方週3回かごが8割埋まったら
干す・取り込む回した方週3回その日のうち
たたむ・しまう各自の分は各自週3回取り込んだ翌日まで
裏返しを戻す脱いだ本人毎日洗濯かごに入れる時点で
床掃除A週1回日曜の午前
風呂掃除B週2回最後に入った人が流す+週2回しっかり
トイレ掃除A週1回土曜
洗面台その日方式週1回髪の毛は使った人がその都度
ゴミ分別各自毎日捨てる時点で分ける
ゴミを出す先に家を出る人週2〜3前夜に玄関へ置く
ゴミ袋セット出した人週2〜3出したその場で
消耗品の補充気づいた方随時残り1つで買う/共同財布
排水口の掃除B月2回1日・15日
タオル交換A週2回月・木
郵便物の仕分け各自の分は各自随時3日以内に処理
支払い管理B月1回25日に共同口座を確認

※AとBはそれぞれの名前に置き換えてください。頻度と期限は、ふたりの生活に合わせて必ず書き換えてください。

そのまま編集できるファイル

上の表をCSVにしました。ExcelやGoogleスプレッドシートで開いて、担当欄を埋めるだけで使えます。運用ルールの記入欄も付けています。

家事分担表テンプレートをダウンロード(CSV)

手順4:運用ルールを3つ決める

表を作っただけでは、1か月ももちません。次の3つを表とセットで決めてください。

1. できなかった日の扱い

ルール例

担当の家事ができない日は、その日のうちに一言伝えます。伝えた場合、相手が代わりにやり、埋め合わせは不要です。黙って放置した場合だけ、別の家事で1回埋め合わせます。

「伝えれば免除」にしておくのが要点です。ペナルティだけを決めると、言いにくくなって黙る方向に働きます。

2. やり方に口を出す時の言い方

リンナイの調査では、パートナーの家事への不満として、女性の43%が「家事を"手伝うもの"と思っている」、男性の34%が「やり方が雑」を挙げていました。やり方の話は、分担の話と分けて扱う必要があります。

ルール例

相手の家事のやり方には、原則として口を出しません。どうしても気になる場合は「やり直して」ではなく「こうしてくれると助かる」と、具体的な行動で伝えます。

3. 見直しのタイミング

ルール例

月に1回、分担表を一緒に読み返します。同じ家事を3回続けて守れなかった場合は、その人を責める前に、分担そのものが合っていないと考えて配分を変えます。

見直しは「量」ではなく「頻度」で調整する

片方の負担が重い時、担当する家事の数を減らすより、頻度と期限をゆるめるほうがうまくいきます。「毎日」を「2日に1回」にするだけで、守れる約束に変わることがあります。

よくある失敗

  • 細かすぎる表を作る/20項目を超えると管理そのものが家事になります。最初は10項目程度から
  • 紙に書いて冷蔵庫に貼って終わり/見返す日を決めないと1か月で誰も見なくなります
  • 片方が作った表を渡す/作った側の認識でしか書かれていないので、もう片方には守る理由がありません
  • 名もなき家事を入れない/表に載っていない家事は「やっていないこと」になります
  • できなかった時の扱いを決めない/表が喧嘩の証拠として使われるようになります

参考にした調査・出典

この記事を書いた人

ゼノテック。同棲前・同棲中のふたりが「揉めるところを先に決めておく」ためのサービス「暮らし合わせ」を運営しています。記事は公開されている調査データをもとに、出典を明記して書いています。