同棲を始める前に「ルールを決めておこう」と言われても、何をどう書けばいいのか迷います。この記事では、そのまま使える同棲ルールの例文を30個、領域別にまとめました。
ただ丸写しするためのものではありません。読みながら「うちはどうする?」と話すきっかけにしてもらうことを目的にしています。最後に、ルールを機能させるための3つの条件も書いています。
上から順に読んで、気になったものに印をつけてください。全部決める必要はありません。ふたりの間でズレていそうな項目だけ決めれば十分です。
なぜルールを先に決めるのか
不動産の買取事業を手がけるAlbaLinkが同棲経験者500人に聞いた調査では、同棲中の揉め事の1位は「家事分担がうまくいかない」で166人(33.2%)でした。2位が「生活リズム・スタイルの違い」75人、3位が「家事のやり方が違う」74人、4位が「生活費の負担割合・管理方法」72人と続きます。
注目したいのは解決方法のほうです。同じ調査で、揉め事の解決方法の1位は「ルールを決める」165人でした。そして「解決できず別れた」が71人(14.2%)います。
揉める場所はだいたい決まっていて、解決策として最も選ばれているのがルール化です。それでも約14%は解決できないまま終わっています。
LIFULL HOME'Sが同棲経験者481人に聞いた調査でも、同棲開始時に作ったルールの1位は「お金の使い方」26.4%、2位「家事分担の仕方」24.7%、3位「月々の支払い担当」20.4%でした。多くの人がすでにルールを作っています。問題は、その中身が具体的かどうかです。
家事のルール例文(8つ)
最も揉める領域です。ここは「誰が」だけでなく「いつまでに」「できなかった日はどうするか」まで書くのがポイントです。
料理をしなかった方が、食器を洗います。両方とも作らなかった日は、早く帰宅した方が片付けます。
使った食器は、その日のうちにシンクを空にします。翌朝まで残っていた場合は、気づいた方が洗い、翌日その人は洗い物を休みます。
担当の家事ができない日は、その日のうちに一言伝えます。伝えた場合、相手が代わりにやります。黙って放置した場合だけ、埋め合わせをします。
洗剤・トイレットペーパー・ゴミ袋の補充は、残り1つになった時点で気づいた人が買います。代金は共同の生活費から出します。月末に補充が偏っていたら、翌月は担当を決めます。
相手の家事のやり方には口を出しません。どうしても気になる場合は「やり直して」ではなく「こうしてくれると助かる」と具体的に伝えます。
洗濯機を回すのは気づいた人、干すのは回した人、たたむのは各自が自分の分です。裏返しの服は、脱いだ人が戻します。
分別は各自、玄関までまとめるのは前日の夜に気づいた人、出すのは先に家を出る人がやります。
体調が悪い日は、家事の担当を全部免除します。埋め合わせも不要です。あとで責めません。
一見やさしいルールですが、実際には汚れに気づきやすい方だけが全部やることになりがちです。大和ハウス工業が既婚者9,700人に聞いた調査では、家事負担の実態は夫2.0割・妻8.0割で、妻が7割以上を負担する家庭が80%を超えていました。「気づいた人が」を使うなら、担当制と組み合わせてください。
お金のルール例文(7つ)
お金は、揉める頻度は家事より低いものの、一度こじれると長引く領域です。夫婦100組の日誌を15日間記録した研究(Papp et al., 2009)でも、金銭に関する対立は他のテーマより「深刻で、繰り返され、未解決のまま残る」度合いが有意に高いことが示されています。
家賃は手取り収入の割合で分けます。割合は年に1回、収入が変わったタイミングで見直します。
毎月25日に、ふたりで決めた額を共同口座に入れます。家賃・光熱費・食費・日用品はここから出します。残った分は繰り越します。
1回3万円以上の買い物は、買う前に相談します。金額に関係なく、ふたりで使う物は相談します。
共同口座に入れたあとの残りは、それぞれ自由に使います。使い道は聞きません。
光熱費の支払い名義と口座は片方にまとめ、もう一方は同額を毎月渡します。明細はふたりが見られる場所に置きます。
スーパーの買い物は、その場にいた人が共同の財布のカードで払います。個人的なお菓子や飲み物は自分のお金で買います。
一時的に立て替えた分は、その日のうちに伝えます。1週間たったら請求しないことにします。
生活リズムと音のルール例文(6つ)
LIFULL HOME'Sの調査では「就寝時間や起床時間の違い」が21.8%で3位、「生活習慣の違い」が23.1%で2位に入っています。音と時間は、我慢が積み重なるタイプの揉め事です。
相手が寝てからは、テレビ・動画・通話はイヤホンを使います。キーボードの音が気になる時は、リビングに移動します。
平日は0時までに寝室の電気を消します。それ以降起きている場合は、リビングで過ごします。
20時を過ぎる日は、19時までに連絡します。夕食が要るかどうかも一緒に伝えます。
仕事部屋のドアが閉まっている間は話しかけません。急ぎの用事はメッセージで送ります。
休日は相手を起こしません。予定がある日だけ、前の晩に「明日は起こして」と伝えます。
先に起きる方は、アラームを1回で止めます。スヌーズは使いません。
ひとりの時間と来客のルール例文(5つ)
LIFULL HOME'Sの調査で「同棲して大変だったこと」の1位に来たのは、実は「自分の時間の確保」24.3%でした。一緒にいる時間より、ひとりの時間の話をしておくほうが大事なこともあります。
週に1日、それぞれが自由に使える時間をつくります。その日は予定を聞きません。
同じ部屋にいても、話しかけなくていいことにします。無言でも機嫌が悪いわけではありません。
友人を家に呼ぶ日は、1週間前までに相談します。急な来客は玄関までにします。
お互いの家族が来る時は、日帰りなら連絡だけ、宿泊は事前に相談します。
お互いのスマホは見ません。ロックの解除方法も聞きません。郵便物は自分宛のものだけ開けます。
ぶつかった時のルール例文(4つ)
ここが一番大事です。揉めた後どうするかを、揉めていない時に決めておくためのルールです。
どちらかが「いったんストップ」と言ったら、その場で話を止めます。言われた方は追いかけません。30分たったら、どちらからともなく再開します。
中断した話は、遅くとも翌日までにもう一度話します。持ち越したまま3日以上放置しません。
不満を言う時は、「いつも」「絶対」を使いません。事実と自分の気持ちだけを言います。人格の話はしません。
一緒にごはんを食べたら、その件は終わりにします。あとで蒸し返しません。
ルールが機能するための3つの条件
30個の例文を挙げましたが、書いただけでは守られません。LIFULL HOME'Sの調査では、決めたルールについて「まったくルール通りにならなかった」が11.0%ありました。機能させるには条件があります。
条件1:主語と期限が入っていること
「お互い協力する」「なるべく早く片付ける」は、ルールではなく気持ちの表明です。誰が・いつまでにが入っていないルールは、必ず解釈のズレを生みます。
- ×「食器はなるべく早く片付ける」
- ○「食器は、料理をしなかった方が、その日のうちに洗う」
条件2:守れなかった時の扱いが決まっていること
守れない日は必ず来ます。その時に「責める」以外の選択肢が用意されていないと、ルールがそのまま喧嘩の材料になります。
おすすめは、事前に伝えれば免除、黙って放置した時だけ埋め合わせという形です。これなら「言いにくいから黙る」が減ります。
条件3:見直す前提で作ること
同棲を始めると、想定していなかったことが必ず出てきます。「合わなくなったら変える」を最初のルールに入れておくと、見直しの提案が「文句」ではなくなります。
月に1回、給料日の夜に、決めたルールを読み返します。合わなくなったものはその場で変えます。変えたいと言うことは、責めることではありません。
決める時に気をつけたいこと
最初から30個すべてを決める必要はありません。ふたりでズレていそうな5〜10個から始めてください。守れないルールが並んでいる状態は、何も決めていない状態より悪くなります。
もうひとつ。ルールを決める場面では、どちらか一方が主導しがちです。片方が決めたルールは、もう片方には守る理由がありません。面倒でも、両方が口を出せる形で決めてください。
決め方の手順そのものについては、同棲のルールの決め方で詳しく書いています。「別々に考えてから見せ合う」という進め方をおすすめしています。