調査データ

同棲の喧嘩の原因ランキング
5つの調査データで見る「揉める場所」

同棲で何が喧嘩の原因になるのか。公開されている5つの調査を並べて、揉める場所がどこに集中しているかを出典付きで整理しました。

同棲で何が喧嘩の原因になるのかは、感覚ではなく調査データで分かります。この記事では、公開されている複数の調査を並べて、揉める場所がどこに集中しているのかを整理します。

数字はすべて出典付きです。調査ごとに順位が入れ替わる理由と、データの限界も最後に書いています。

調査1:同棲中の揉め事ランキング(AlbaLink・n=500)

不動産の買取事業を手がけるAlbaLinkが、同棲経験のある男女500人に聞いた調査です(2023年3月、女性352・男性148、同棲開始時が20代の人が75.8%)。

順位揉め事の内容回答数割合
1位家事分担がうまくいかない166人33.2%
2位生活リズム・スタイルの違い75人15.0%
3位家事のやり方が違う74人14.8%
4位生活費の負担割合・管理方法72人14.4%
5位片付けをしない
6位価値観・金銭感覚が違う
7位食事の好みが違う

※割合はn=500での単純換算です。原典は人数表記です。5〜7位は原典に人数の記載がないため「—」としています。

注目すべきは1位と3位がどちらも家事である点です。「誰がやるか(分担)」と「どうやるか(方法)」は別の問題として、それぞれ独立して揉めています。

解決方法の内訳

同じ調査で、揉め事をどう解決したかも聞いています。

順位解決方法回答数
1位ルールを決める165人
2位よく話し合う145人
3位解決できず別れた71人(14.2%)
4位妥協する50人
約14%は解決していない

解決方法として最も選ばれているのはルール化です。それでも約14%(71人)は解決できないまま別れています。ルールを決めれば必ず解決するわけではありません。

調査2:同棲して大変だったこと(LIFULL HOME'S・n=481)

不動産情報サイトのLIFULL HOME'Sが、同棲中またはここ3年以内に同棲経験のある20〜40代481人に聞いた調査です(2016年5月)。

順位大変だったこと割合
1位自分の時間の確保24.3%
2位生活習慣の違い23.1%
3位就寝時間や起床時間の違い21.8%
4位金銭感覚の違い20.0%
5位家事の分担19.3%
6位見るテレビ番組の違い15.6%
7位食の好み12.3%
10位聴く音楽の違い8.7%
11位洗面台の奪い合い7.1%

※「特に大変だったことはない」24.9%。8位・9位は原典に該当項目の記載が確認できなかったため省いています。

AlbaLinkの調査と1位が違います。こちらでは「自分の時間の確保」が1位です。設問が「揉め事」ではなく「大変だったこと」なので、喧嘩にならないまま我慢している事柄が拾われていると考えられます。

2つの調査を重ねると見えること

表面化する揉め事は家事。表面化しないストレスはひとりの時間と生活リズム。後者は喧嘩の形を取らないぶん、気づいた時には積み上がっています。

同棲開始時に作ったルール

順位決めたこと割合
1位お金の使い方26.4%
2位家事分担の仕方24.7%
3位月々の支払い担当20.4%

ルールの遵守状況は「すべてルール通り」19.1%、「まあルール通り」56.1%、「まったくルール通りにならなかった」11.0%でした。

調査3:家事分担の実態と認識のズレ

負担の実態(大和ハウス工業・n=9,700)

大和ハウス工業が既婚者1万人のうち配偶者と同居する9,700人に聞いた調査(2018年5月)です。

  • 現状の家事負担比率:夫2.0割 : 妻8.0割
  • 理想の負担比率:夫3.2割 : 妻6.8割
  • 妻が7割以上を負担する家庭が80%超

認識のズレ(リンナイ・n=1,000)

リンナイが全国の20〜50代・フルタイム勤務の既婚男女1,000人に聞いた調査(2024年7月)です。

  • 家事分担で最多の回答は「妻7割・夫3割」18.4%
  • 「妻が6割以上」と答えたのは男性65%・女性80%(=同じ家庭の話で認識が一致していない)
  • パートナーの家事に不満がある人:全体59%、女性は72%
  • 不満の内容トップ:女性「家事を"手伝うもの"と思っている」43%/男性「時間があるのにやろうとしない」「やり方が雑」各34%
  • 「夫婦で家事シェアについて話し合っている」47%(調査10項目中で最低)
最も重要な数字

不満がある人は59%いるのに、話し合っている人は47%しかいません。不満を抱えたまま話していない層が一定数存在します。

家事時間の実データ(総務省)

総務省の令和3年社会生活基本調査によると、6歳未満の子を持つ夫婦世帯の1日あたりの家事関連時間は夫1時間54分・妻7時間28分。共働き世帯に限っても夫1時間55分・妻6時間33分でした。

同資料で参照されている米国の同種調査(American Time Use Survey)では夫3時間37分・妻6時間04分で、男女差は日本より小さくなっています。

調査4:お金をめぐる喧嘩(エミリス・n=500)

既婚男女500人を対象とした調査(2024年10月)です。

  • お金で喧嘩することが「よくある」12.8%+「たまにある」46.8%=59.6%
  • 原因1位:金銭感覚の違い 44.2%
  • 2位:生活が苦しい/3位:お小遣いの額/4位:家計の負担割合/5位:勝手に高価な買い物
  • 解決法1位:どちらかが妥協する 39.6%、2位:納得するまで話し合う18.8%、「解決しない」6.6%

解決法の1位が「どちらかが妥協する」である点は見逃せません。解決したように見えて、片方が引き下がっているだけのケースが4割近くあります。

調査5:海外の学術研究(Papp et al., 2009)

子どものいる夫婦100組に15日間の日誌を記録してもらい、748件の対立事例を分析した研究です(Family Relations誌)。

  • 対立の頻度が最も高いのは、子ども・家事・コミュニケーション
  • 頻度が低いのは、親密さ、友人と過ごす時間、性格
  • 金銭は頻度では最多ではないが、他のテーマより「深刻・反復的・未解決のまま残る」度合いが有意に高い
家事とお金は性質が違う

家事は頻度が高いが、その場で終わる。お金は頻度は低いが、こじれると長引く。対処法を変える必要があります。家事はルールで運用を、お金は事前の合意形成を重視すべきです。

5つの調査から言えること

1. 揉める場所はほぼ決まっている

調査主体も年代も違うのに、上位に来るのは一貫して家事・生活リズム・お金の3領域です。逆に言えば、この3つを先に押さえれば、大半の火種はカバーできます。

2. 1位が調査ごとに違うのは、設問が違うから

「揉め事」を聞けば家事が1位、「大変だったこと」を聞けば自分の時間が1位になります。喧嘩になっているものと、我慢しているものは別だということです。両方に手当てが必要です。

3. 認識のズレそのものが原因になっている

リンナイの調査が示すように、同じ家庭で分担割合の認識が一致していません。「相手がどう思っているか」を確認する工程が、そもそも抜けています。

4. 話し合いが足りていない

家事に不満がある人59%に対し、話し合っている人47%。ルールを決めた人でも11%は「まったくルール通りにならなかった」。決めることと、機能させることは別の問題です。

データの限界について

読む時の注意

この記事で引用した日本の調査の多くは、企業がPR目的で実施したインターネット調査(自社調査・n=481〜1,000)です。標本の代表性は担保されていません。傾向を読むための参考としてご覧ください。

また、喧嘩の原因を直接扱った公的統計は存在しません。政府統計で参照できるのは社会生活基本調査(家事時間)のみです。同棲カップルを対象とした国内の学術研究も、今回は見つけられませんでした。

まとめ

  • 表面化する揉め事の1位は家事分担(33.2%)。「誰がやるか」と「どうやるか」で二重に揉める
  • 表面化しないストレスの1位は自分の時間の確保(24.3%)。喧嘩の形を取らないまま蓄積する
  • お金は頻度は中位、深刻度は最上位。原因の1位は金銭感覚の違い(44.2%)
  • 家事の分担割合について、男女で認識が一致していない(男性65% vs 女性80%)
  • 不満がある人59%に対し、話し合っている人は47%
  • 解決方法の1位は「ルールを決める」。ただし約14%は解決できず別れている

参考にした調査・出典

この記事を書いた人

ゼノテック。同棲前・同棲中のふたりが「揉めるところを先に決めておく」ためのサービス「暮らし合わせ」を運営しています。記事は公開されている調査データをもとに、出典を明記して書いています。